■雫野 5




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みんなふりかえる。
あしおとがゆっくりちかづいて、おれのよこにだれか、たっていた。
おれは、じめんにねころんだかれに、
おおいかぶさるように、よつんばいになっていた。
おれもみあげる、
そのえがおにはたしかにみおぼえがあった。
それをうらやましいって、にんげんをうらやましいって、
おもったこともあったのだけど、
なんだか、おおむかしみたいなきがした。


…へえ、おまえもこおにだったとはな。


にんげんのおとこのこは、あまりおどろいたようすもなくわらった。


…ほら、あいつですよ。


かれはささやいた、でもそっと、
おれのてをとった。
とられたては、ぎんのかみのあいだにみえるつのにあてられた。
みどりいろのひとみがすきとおるようにみひらいて、おれをみつめた。


…あいつのところにいくまえに。
おれをなぐって、そして、
あなたのてでこのつのをおっていって。

…なんで?なんで!


おれはびっくりしてさけんだ、
つのをおられたら、はらわれるんだろ?
きえてしまうんだろ?
たいじは、おしばいだって、いったじゃないか。


…おれ、そいつとも、すもうとったことあるぜ。


にんげんのおとこのこは、ひとなつこくわらった。
それをにらみつけて、おにのおとこのこはどなった。


…おまえなんか、きらいなんだ。
いまだって、なんどでもなげとばしてやれるんだ。


わざとおおごえでいう、にんげんがざわついた。


…ははは、うん、2どやられたな?
けどおれも1どだけ、なげとばしてやったろ?

…だまれ!


おにのおとこのこは、うわずったかんじにどなった。


…おれはあいつがきらいです。
でも、あなたにやさしくしたから、ゆるしてやります。
あなたは、あいつとなかよくくらせばいい、
おれはいま、あなたのためにきえたらいい、
ひとりぼっちでそんざいしてても、おになんてくるしいばっかりなんだから。


びきびきとあたまにちがのぼる。
おれはかれのほっぺたをたたいた、
ちからいっぱい。
すごくいたそうなおとがした。
もうだめだ。
おれはやっぱりおにだった、わるいこだった、
こんなにひどいことをした、
このあたまのつのは、そのしょうこだ、
もうにどときえないつみをせおった。
いたそうにうなるかれが、おれのてをはなした。
おれはかおをあげた。
さっきほうりだしたかさをにぎった。
まわりのにんげんが、びっくりしたようにみんなさがった。
くろかみのおとこのこだけが、
みうごきもせずおれをみつめていた。

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