「大願成就」
幾度も、何度も夢に繰り返しみてきた今このとき。
もう10年も昔からこの瞬間を願い請うてきたことが堪えきれない高揚感と共にここにある。
ああ、10代目。
10代目はただ緩くその瞳を細めてオレに先を促した。
逸る気持ちを抑えてゆっくり上下に数回擦り付ける。
じわじわと濃度が増してくるのをみてとり今度は丸くまろく。
鼻先にたちあがる香気をかき混ぜるようにぐるぐると円を描くように。
「ほんとにオレ、いいんですか?」
たとえこれが夢であろうとも確認せずにはいられなかった。
「うん、君が喜んでくれるのが嬉しいよ。ほんとに君って面白いよね・・」
我知らず震えのくる指先を律しながら右手の中の軸を握る。
10代目が息をのむのが判る。
オレもくっと息をころす。
「それでは失礼して・・不肖獄寺隼人、いれさせて頂きます」
心をこめて準備した溜まりの中にゆっくり先端をくぐらせていく。
もう一度大きく息を吸い込んで意識を集中させその一点に一瞬に神経を尖らせる。
「ほら、獄寺くん。垂れてるってば。緊張するのはわかるけど・・」
10代目が肩にそっと手を添えてくださる。
ああ、10代目。
てろりと赤い緩やかな曲線をひとつ撫ぜて遂にオレは思いを遂げる。
いま、今こそ、その大願成就。
「じゅ、10代目、はいりましたー!!」
「ああ、良かったね、獄寺くん。おれもほんとにこうなるとは思っていなかったんだけど・・。
・・・とうとう君は右腕になったんだねえ、おめでとう」
七転び八起き、大願成就のそのときに遂に達磨にその目を入れし吉日。某年七夕の夜であった。
おわるんじゃよ