「くまちゃんと一緒に」



すん、と鼻を鳴らしてそのもこもこしたそれに顔を埋めてみる。

間違ってもあのひとには程遠い感触。

それ以前にオレはなんでこんなことやっているのだ。

答えを寄こさない黒いビーズの瞳とベルベットのリボン。



「ちょっとオレ留守にしなくちゃならないからさー、これ留守番代わりに置いて行くからよろしくね、獄寺くん」

ぎゅ、ぎゅ、ぎゅと3回くまの野郎を抱きしめて10代目は言った。

「えーと、その、3日分ってことで、うん。」

「足りません。そんなんじゃ。それになんでオレに直接じゃなくてクマになんですか!」

「あー、んー。でもこいつ気持ちいいよ?だから、ね」

もこもこの頭にキスをひとつ。

「お土産買ってくるからねー」


毛先にくしゃみが出そうになりながら振り下ろしかけた拳を緩く開く。
薄茶色のふわふわしたつむじはそこにないけれど。

10代目の仕草を思い出す。小さく尖らせた唇がそのもこもこに触れたのを。


そうやってオレは思い知る。
10代目サスガです。オレはオレの頭にキスはできません。
なんて渋いんでしょう、10代目!!