「10代目、割といいウイスキーが入ったんですけどロックでいいっすか?」
柔らかい微笑みを浮かべてバカラのグラスを検分する獄寺の指先に見惚れながら沢田は応えた。
「いいや、ストレートで頼むよ、獄寺くん」
琥珀色の液体はまるで年月が溶け込んだかのような佇まいで静かに揺れている。
揺れているのはもしかしたら沢田の瞳なのかもしれなかった。
痺れる舌先。
「チェイサーは・・?」
チェイサーは、要らない。
愛は水入らずって知らないの?獄寺くん。
小さな吐息と共にグラスの中の琥珀より更に深い色をした沢田の瞳に縫いとめられる。
緩く開いたそのくちびるにただただ獄寺は愛を注いだ。
FIN