「So,you don't have to worry,worry.」
オレを守ると獄寺君は云う。
貴方をお守りします、命に代えても、と。
一体きみは何からオレを守ろうっていうんだろう。
敵からオレを守ってくれるの?
君の敵の範囲は広いからなあ・・年上はとりあえず全部敵なんだっけ?
「ねえ、獄寺君、何からオレを守るつもりなの?」
瞬きをひとつして何でもないことのようにきみは。
「貴方を損なう全てのことからです」
たとえば今空が落ちてくるのだとしても大地が裂けるのだとしても
オレを守る、守りたいのだと君は云う。
だけどさ、昨日だってオレは道で転んで膝と肘を強かに擦りむいたし
コンビニに行く途中にぬかるみに填ったし
玄関先の明かりに集まるあの虫に心底震え上がったしさ。
勿論こんなこと獄寺君には云わない。
守れてないじゃない、とも思わない。
オレはさ、オレは君からオレを守って欲しいかも。
君がオレをみて嬉しそうに駆けてきたり、いつの間にか歩調をあわせてくれてたり
何気なく振り返ったときに予想外に真剣な瞳と視線があってしまったり。
ほら、今だってこんなに胸が苦しいんだ。
ドッドッドッドって心臓の音が止まなくて体中の血が沸騰しそうなんだ。
「10代目?」
何度もきいているその呼び名にさえ跳ね上がりそう。
「ちょ、ちょっと獄寺くん・・顔ちかい!」
「すみません、すみません!」
慌てて離れる君にどういうわけか苛立っているオレ。
君が近くても遠くてもオレはどうしようもなく困ってしまうんだ。
君が傍にいるとなんだか困るし、君がいなくなってしまったらもっともっと困る。
君からオレを守って欲しい。
君をなくすんじゃないかって傷つけるんじゃないかって
そんなこと考えちゃうオレから守ってくれよ。
「あのさ、獄寺くん」
「ハイ、なんでしょう?」
「ひとまず空腹からオレを守ってくれないかな」
慌てる獄寺君の背中を押して母さんの晩ご飯を一緒に食べたらば
オレはどうしたらオレを君が守れるのかもう少しだけ考えてみようと思う。
fin