「こんぺいとうは甘い」
紺碧の空にチカリと赤い色が小さく走るのをツナは獄寺の頭越しにみつけた。
「あ」
思わず足を止めるツナに倣って獄寺もその場で歩みを止めてツナの視線の先をみつめる。
「見た?」
ツナの示す方向には鋏で切り抜いたような細みの月が懸かっているばかりで獄寺はその伸ばされた指の冷たさの方に思考を巡らせた。
「赤いの、光ってたんだけど。あれ流れ星かな?」
「ああ、流れ星っすか?残念ながらオレは見てないんですけど」
ぐるりと見まわすようにもう一度空を見上げてツナは星を探しているようだった。
「流れ星に願い事とかってよくいうじゃない、あれ3回とかってやっぱり難しいよね」
「そうっすねー。カネカネカネとか言ってる奴いましたけどね。あ、アホ牛なんてアメアメアメとか叫びそうですよね」
「あはは。で雨降ったりするってオチ?」
「流石10代目ー。しぶいっす!」
なにがしぶいんだかと獄寺の肩をぽんと叩いてツナは笑い、目の端にまた赤い光がチカリとするのを見た。
「お!」
獄寺は獄寺で白い光が細かく点滅するのをみて何故だか息をひそめた。
そうしないと光がきえてしまうのじゃないかとそんな風に思えたからだ。
二人してそれぞれにその光の先にお互いの瞳をみつけた。
「スキスキスキ」
声に出さずに象られる口元。
赤い光と白い光はゆっくりと旋回しながら見えなくなったが、熱く柔らかな流れ星がツナの頬に小さな音をたてて落ちてきた。
おわり
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流れ星だと思ったのは飛行機のランプです。