「クッキー」




ツナはおやつに美味しいクッキーを貰いました。

「これ、凄く美味しいな!」
ひとつ齧ってからツナは獄寺くんの家へかけていきました。

「獄寺くん、獄寺くん!」
ツナが叫ぶとあっという間に獄寺くんが扉を開けてくれました。

「かあさんがさ、焼いたんだけどこのクッキー食べてみてよ」

獄寺くんは一口食べると言いました。
「さすが、お母様です!なんて美味しいクッキーでしょう!」

二人は次々に沢山食べました。

「あの、10代目?そろそろ食べるの止めないとお夕飯に差し支えますよ」
「君の言うとおりだね。あと一つずつ食べたらやめようよ」

二人はもう一つだけクッキーを食べました。
箱の中にはまだ沢山のクッキーが残っています。

「んー、あと一つで本当にやめようね」
ツナはもう一つ食べて言いました。

「おれたち、食べるのやめないとね!」
ツナはまたまた一つ食べて叫びました。

「そうですね」
指についた粉をぺろりとなめて獄寺くんは言いました。

「オレ達にはイシリョクが必要っス!」
「イシリョクってなんのこと?」
ツナが首を傾げました。

「イシリョクってのは本当にしたいと思うことを我慢することです」
「君が言ってるのはこのクッキーをみんな食べないようにすること?」
ツナがたずね獄寺くんは大きく頷きました。獄寺くんはクッキーを一回り大きな箱にしまいました。

「これで食べなくてすみます」
「でも箱を開ければ食べられるよ」
「そりゃそうです」
獄寺くんは箱を紐で縛りました。

「でも紐を切って箱開ければいいじゃん」
「そうですね」獄寺くんは、梯子を持って来て高い棚の上に箱を置きました。
「でも梯子に登ってさ、棚から箱を降ろして紐を切って箱を開ければいいじゃん」
ツナが言いました。

「流石、10代目。その通りです」
獄寺くんは梯子に登って箱を棚から降ろすと紐を切って箱を開けました。

そして箱を外に持ち出すと大きな声で言いました。
「おーい、ハト共。美味しいクッキーだぞ!」
あちらこちらからハトが集まってきてまたたくまにクッキーは一つ残らずなくなりました。

「クッキー、なくなっちゃったね。一つもなしだ」
ツナが悲しそうに言いました。

「そうですね。でも、オレ達には物凄く沢山のイシリョクが出来ましたよ」
「獄寺くん、イシリョクはさ、全部君にあげるよ。おれ帰って夕飯食べるよ」

獄寺くんは目をまんまるにして言いました。
「えー?もうお帰りですか、10代目ぇ」

背中から回される獄寺くんの腕をぺしりと叩いてツナは言いました。
「獄寺くん、さっきおれの分のイシリョクあげただろ!」

薄桃色のツナのほっぺを啄みながら獄寺くんはもぞもぞ言いました。
「オレのイシリョクは10代目に差し上げることにしたっす!」


おしまい。


絵本にあやまれー、かえるにあやまれー。しかし後悔はしていない。