■雫野 7
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かわをわたって、むらもはしもとおくなる、
こんなにたくさんはしったことがなくて、
むねがくるしかった、
くるしいのはそのせいだけじゃないとおもった、
にんげんがいないところまではやくはやくいそいでいって、
じゃまのはいらないところでおれをなぐりかえすのかなとおもった、
かなしいとおもった、おれ、
かれのいうことをひとつもきかなかったから、
おれがこわがったせいで、かれは、
にんげんにいっぱいなぐられたから、
あんなに、やさしくしてくれたのに。
きっとおれをきらいになって、ちからいっぱいなぐるんだとおもった、
なぐられるまえからくるしかった。
いつもののはらのまんなかまできて、きゅうにかれはたちどまった。
はあはあとうごくかたにつんのめってぶつかった。
…ごめん。
あわててはなれようとしたら、
にぎられていたてをきゅうにはなされて、
それから、ぎゅうっとくるしくなった、
かれはおに、そのちからいっぱい、りょううでにこめて、
からだをしめあげられていた、
いきができない、ぼうっとしたあたまに、
ぎんのかみがすりつつけられて、みみにふれた、いきづかい。
…すみません、
おれ、やっぱりまだきえたくない、
おにのおとこのこは、こえをおしころしてないていた。
…おになんて、はらはへるし、にんげんににくまれるし、
きまぐれになさけをかけられたって、けっきょくはひとりぼっちだし。
でも、やっぱりまだきえたくないんです、
あなたのそばにいたいんです。
…おれ、ずっとまえから、きみをしってたよ。
つめたいてとかた、やさしいけはい、
しってる、このかんじをよくしってるよ、
いつもいつも、まどろみながら、
おれとおなじもの、おなじきもちが、そっとおれをみつけるのを、
かつてたりなかったあたたかさをもとめる、そのきもちをこいしいとよぶなら、
おれにかたちをあたえたのはきみ、
やっと、おれたち、
やっとつめたいゆびさきを、あたためあえるんじゃないか。
かおをあげたそのこのほおをぬぐった、
つめたいしずく。
このまま、おにでいい、
そんざいして、
そしていっしょにわらいあえることを、
…しあわせとよぶんだろ?
20080719
22227打「ふふふなツナ」ということで「あわいのみちゆき」途々さんから頂きました。
泣いたあかおににご賛同とても嬉しかったです。
せつなくもしあわせなアナザーワールドをありがとうございました!!