頼りないわが身がはがゆいのだ。

気を抜けば流れ行く、この身のやわさが耐え難いのだ。

しっかりとツノを立てておくのだと固く幾度も誓ったのに、思うそばから体はゆるみ、やわらかく溶けていく。

 ──ちくしょう。

 目に付くことがなくたって、毅然としていたいのだ。

お前こそがふさわしいと誰の目にも映るよう、動じない自分でいたいのだ。

 大切な人のために。

「そんなにがんばらなくても大丈夫だよ」

 香ばしい匂いをさせながら、その人は言った。

君はほんとにがんばり屋さんだよねえ、オレなんか見えてたってきっとダレっぱなしだよ。

言葉とは裏腹にぱりっと軽い焼き上がりのツナは、背伸びをする獄寺にほんわりと笑った。

「オレがいるから大丈夫。ゆっくりしなよ獄寺くん」

「十代目……」

 なんだか目元が熱かった。

それをあくびでごまかして、こがねに輝くシュー皮の中、獄寺はゆったりとまどろんだ。



story by:睦月みつか


とろんとろんです。睦月さん本当にありがとうございます。